カカオ豆

木に実っているカカオ

インドネシアにおけるカカオ生産状況

 インドネシアはコートジボワール、ガーナに続く世界第3位のカカオ生産量を誇る国です。ところが品質の問題により、これまで日本へはあまり輸出されてきませんでした。
 インドネシアのカカオ農家は複数の農作物を育てながらカカオを生産する小規模農家が大半を占めています。そのため品質が向上しにくい傾向にあり、国際的にもインドネシアのカカオの多くは低品質で、低価格という印象を受けてきました。ところが近年、カカオ豆の需要が高まっていることもあり、需要を満たすためにカカオ豆の加工技術向上に取り組み、生産量を増やす計画がインドネシア国内で行われております。そのため現在では安定した品質のカカオ豆を輸出することが可能となっています。

木に実っている複数のカカオ

1.コートジボワール  2,200千トン

2.ガーナ        800千トン

3.インドネシア     739千トン

(2020年のカカオ豆生産状況)


インドネシアで多く生産されている品種フォラステロ種(FORASTERO)とトリニタリオ種(TRINITARIO)の2種類

木に実っているフォラステロ種のカカオ

フォラステロ種(FORASTERO)

 南アメリカのアマゾン渓谷、オリノコ渓谷等が原産地。
一般に成長が早く、病害虫に対する耐性が強く、栽培が容易で、現在は世界の主流となっており、東南アジア、西アフリカなどで栽培。
ポッドの色は、赤紫から成熟するとオレンジ色になり、豆は偏平型で苦味が強いのが特色。

(日本チョコレート•ココア協会 ホームページより)

木に実っているトリニタリオ種のカカオ

トリニタリオ種(TRINITARIO)

 トリニダッド島で交配されたクリオロ種とフォラステロ種の性質を受継いだハイブリッド種。
栽培は容易で、良質な豆。
ベネズエラ、トリニダッドや他の中南米地域で栽培され、ブレンド豆として、不可欠。

(日本チョコレート•ココア協会 ホームページより)


カカオベルト

 カカオの生育地域のことを「カカオベルト」といいます。コーヒーの栽培に適した地域のことを「コーヒーベルト」と表現しますが、「カカオベルト」という言葉は「コーヒーベルト」から来ているとも言われています。カカオベルトは赤道を挟んで南北20度、いわゆる亜熱帯地域のことを指します。

世界地図でのカカオベルト

カカオベルトと主要生産国

 カカオベルトの中には多くの国や地域が入っていることが分かりますが、カカオベルトの範囲内であっても、必ずしもカカオが生育できる条件が整っているとは限りません。その理由はカカオの生育に必要な条件が幾つも存在するからです。

カカオの生育条件
•標高30m〜300m程度
•年間平均気温27度程度
•寒暖差が少ない
•年間雨量1,000mm以上
•湿度70〜80%以上

 カカオが生育するためにはこれだけの自然条件が必要となるため、カカオベルトの範囲内であっても実際にカカオが収穫できる地域は限られた地域のみなのです。


 カカオ生産地の中でもコートジボワール、ガーナに続く生産量を誇るのがインドネシアです。東西に13,000以上の島々が連なるインドネシアはカカオのにとって恵まれた自然環境が揃っており、アジア最大のカカオ産地となっています。